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Jul 08, 2005

めんどくさがりの遺産分割申告Vol.2

「あの家は小丸の物だけど、おっさんがこの町を出ると言うまでは、住まわせてあげて」
「生命保険の受取人は小丸しかいないから、そのお金で銀行にある借金は返してね」

母の遺言は、そのふたつ。
遺言といっても、病室で小丸やおっさんにポツリと話しただけで、遺言状を書いたわけでもない。法律的には無効のはずだ。
それでも母の言葉を無碍にできるわけもなく、小丸はうなづいた。もちろん、その言葉通りにしようと思いながらだ。

戦いのスタートは、のどかだった。
それは葬式から1週間後のこと。小丸と弟、おっさんの三人で、遺産関係の書類を整理することになった。
母の看病を協力して乗り切ったこともあり、小丸はおっさんに対して、少し心を開いていたし、それはおっさんにしても同じだったのだろう。書類の整理は穏やかな秋の日に相応しいムードで進んだ。

母が小丸たちに残した物は3つ。
1、店舗兼住居のボロ家、それが建つへっぽこ谷の土地。
2、生命保険(その金額は小丸を10とすると、弟に4。おっさんにも5〜6程度の額が下りたらしい)
3、店の回転資金と車購入の借金 約500万円

この他に、微々たる貯金もあったのだろうが「入院でほとんど使ったし、記帳していない。それに、俺の貯金も一緒になっているから」というおっさんの言葉を信じて、確認はしなかった。
……今振り返ると、きちんと確認しておけば良かったと、心の底から思う。

一通り確認が終わった後、
「この家は小丸に…という言葉もあったし、通帳以外の書類は全部持っていって」と、
おっさんは笑った。
その言葉と姿から、この後、どんな展開が待っているかなど、読めるはずもなかった。

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Comments

うーん。なまなましい。金が絡むと、ほんと面倒です。感覚が合わないと特に。

フミヤとタカモクの仲が悪くなったのは金のせいだというし・・。(関係ないか)

で、
「肝心の年寄り株の所在は?」
とワイドショーネタ連発でボケて去る熱帯であった・・・・・・。

Posted by: 熱帯 | Jul 09, 2005 at 16:44

熱帯さん、どうもです。
なまなましいですか…。
人の不幸な様子はハタから見たら笑えるかなあ…と思って
始めたのですが…。失敗かなあ!?

花田さんちは、お兄ちゃんの作戦勝ちになりそうな雰囲気ですなあ。
負債が多いなら、相続するより、放棄する方が賢いしね。

Posted by: 小丸 | Jul 11, 2005 at 17:56

>なまなましいですか…。
小丸君の立ち位置がまだナマだからだと思った。母親と内縁関係だった男性を「おっさん」と書く。小丸君にとって、もっと違う複雑な何かであって、「おっさん」という一見、軽い呼び名ではないような気がする。そこがナマだと思う。ああ、これはカネの話ではなく何か別のドロドロが主眼なのだろうか?

>人の不幸な様子はハタから見たら笑えるかなあ…と思って
>始めたのですが…。失敗かなあ!?
よくある話でそれは不幸ではないという気もするわけで、やはりサービス=不幸度が足りない。まだ整理がつかなくて書けない事があるんだな、と深読みしてしまうのよね。

笑うのではなく勝手に物語を膨らませる熱帯であった。

Posted by: 熱帯 | Jul 12, 2005 at 23:03

なるほど…。
「おっさん」という呼称は、母がそう呼んでいたので、そのまま使っただけなのですが、無意識の中に、本質が出るってことかもしれません。
現状を突き放して、見ていない所が露呈したんでしょうなあ。
まあ、立ち位置はナマも、ナマ。
リアルタイムで進行中ですから…。

Posted by: 小丸 | Jul 13, 2005 at 11:42

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